脳卒中は「突然」ではないこともある
脳卒中は、放置すれば重い後遺症や死に至ることもある命に関わる緊急疾患です。
しかし、多くの人は「何の前ぶれもなく起こる」と思いがちです。実際には、脳卒中が起こる数週間〜数か月前から、体が危険サインを出している場合があります。
その代表的な前兆が、一過性脳虚血発作(TIA:Transient Ischemic Attack)、いわゆる「ミニ脳卒中」です。
TIA(ミニ脳卒中)は、将来の大きな脳卒中のリスクが高まっていることを示す重要なサインであり、発症の最大90日前に起こることもあります。
これらの初期症状を見逃さず、早い段階で医療機関を受診することが、命を守り、重い後遺症を防ぐ鍵になります。

脳卒中の9つの初期警告サイン
次のような症状は、脳卒中やTIAの前ぶれである可能性があります。
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突然の脱力感・しびれ
とくに顔・腕・足のどこか片側だけに、力が入らない、しびれる、感覚が鈍いといった症状が急に現れる。 -
言葉が出にくい・話している内容がわからない
ろれつが回らない、人の言っていることが理解しづらい、言葉がうまく見つからない、急な混乱など、話す・理解する機能の異常が出る。 -
視力の異常・見え方の変化
視界がぼやける、二重に見える、片目または両目の視力が急に落ちる、部分的に見えなくなるなど、突然の視覚障害が起こる。 -
バランス感覚の低下・ふらつき
めまいがする、まっすぐ歩けない、体がふらつく、ふいに転びそうになるなど、姿勢や歩行が不安定になる。 -
原因不明の激しい頭痛
これまで経験したことがないような急激で強烈な頭痛が、思い当たる原因もなく突然出現する。 -
極端な疲労感・力が出ない
明らかな理由がないのに、急にひどく疲れを感じる、全身がぐったりして異常なだるさや脱力感におそわれる。 -
顔のゆがみ・片側の下がり
笑おうとしても口角が片側だけ下がる、顔の半分がしびれる・重く感じるなど、顔の片側が垂れ下がるような症状が出る。 -
短期記憶の低下・急な混乱
さっきの会話や予定を突然思い出せない、場所や時間がわからなくなるなど、短期記憶や判断力の低下、ぼんやりした混乱が起こる。 -
ピリピリした感覚・異常なしびれ
針で刺されるようなチクチク感や、電気が走るようなしびれが、とくに身体の片側だけに突然現れる。
なぜこれらのサインを見逃してはいけないのか
上記のような症状や、TIA(ミニ脳卒中)の兆候は、近い将来、本格的な脳卒中が起こる可能性が高いことを示しています。
この段階で医療機関を受診すれば、以下のような脳卒中の危険因子に早く対処できます。
- 高血圧
- 糖尿病
- 高コレステロール血症
- 心臓病 など
危険因子をコントロールすることで、重大な脳卒中の発症を防いだり、重症化を抑えたりできる可能性が高まります。
少しでも「おかしい」と感じたら、すぐ受診を
あなた自身や身近な人に、ここで挙げたような症状がひとつでも現れたら、
「そのうち治るだろう」と様子を見ず、ただちに救急受診や緊急医療機関への相談を行ってください。
時間をおかずに行動することが、脳を守り、命と生活の質を守る最も有効な手段です。


