鍵が折れて鍵穴に残ったときの安全な取り出し方ガイド
日常生活では、ちょっとした不注意や設備の劣化が原因で、思いがけない「プチ事故」が起こります。なかでも意外と多いのが、鍵が途中で折れてしまい、その折れた先端が鍵穴の中に残ってしまうトラブルです。
原因はさまざまですが、
- 古くなった鍵やシリンダーの摩耗
- 製造上の弱点
- 焦って力任せに回してしまうこと
などがきっかけになることがよくあります。

特に「家の鍵」が折れてしまった場合、解決を先送りにすることはできません。とはいえ、すぐに鍵屋を呼ぶ前に、まずは自分で試せる安全な方法をチェックしてみましょう。うまくいけば、シリンダーを分解することなく、折れた鍵だけを取り出せる可能性があります。
ドアが施錠されたままのときの対処法
ここでは、ドアが閉まっており、鍵穴の外側に折れた鍵の一部が見えている場合に試せる方法を紹介します。
1. 強力な磁石を使う方法
用意するもの:
- 強力な磁石(ネオジム磁石など)
- 潤滑剤(鍵穴用スプレーやシリコンスプレーなど)
手順:
- 折れた鍵が垂直に立っている状態(上下方向)で鍵穴に残っているか確認します。
- 鍵穴の周囲と内部に、少量の潤滑剤を吹きかけ、しばらくなじませます。
- 強力な磁石を、鍵穴付近の折れた鍵の部分にしっかり密着させます。
- 磁石をゆっくりと引き寄せるように動かすと、折れた鍵が磁力にくっついて一緒に外へ出てくることがあります。
※鍵の材質によっては磁石に反応しにくいこともあります。その場合は、次の方法を試してください。
2. ラジオペンチや先細のハサミを使う方法
用意するもの:
- 先端の細いペンチ(ラジオペンチ)または先の細いハサミ
- 潤滑剤
手順:
- 鍵穴の入口付近に、折れた鍵の先端が少しでも見えているか確認します。
- 鍵穴周辺に潤滑剤を軽くスプレーし、鍵の動きを良くします。
- ラジオペンチまたは細いハサミの先端で、鍵穴から出ている折れた鍵の端を慎重につかみます。
- 強く一気に引っ張らず、少しずつ、まっすぐ外側へ引き抜くイメージでゆっくり動かします。
無理に力を入れると、折れた鍵がさらに奥へ押し込まれたり、鍵穴内部を傷つける原因になります。抵抗が大きいと感じたら、一度やめて他の方法を検討しましょう。
ドアが開いている状態で鍵が折れた場合
ドアは開いているが、鍵穴の中にはまだ折れた鍵が残っているという状況なら、内側からもアプローチできるため、試せる方法がいくつか増えます。
1. 反対側から細いハサミを差し込む方法
用意するもの:
- 先端の細いハサミ、または細い金属棒
- ラジオペンチ(あれば便利)
手順:
- 折れた鍵が刺さっている側とは反対側(室内側)の鍵穴を確認します。
- 先端の非常に細いハサミ、もしくは同程度の細さの金属棒を、室内側の鍵穴からそっと差し込みます。
- 先を進めていき、内部で折れた鍵の後ろ側に触れた位置で、軽く押し込みます。
- 外側の鍵穴から折れた鍵が押し出されてきたら、指やラジオペンチでつまんで完全に取り出します。
一度に全部押し出せなくても、少しでも外に出てくれば掴みやすくなります。焦らず少しずつ押していきましょう。
2. 予備の鍵を使って押し出す方法
この方法は、前述のハサミを使う方法と原理は同じですが、ハサミの代わりに別の鍵を使う点が異なります。
用意するもの:
- 同じタイプの鍵(予備鍵など)
手順:
- 折れた鍵が残っている鍵穴の反対側(室内側)に、予備の鍵をまっすぐ差し込みます。
- いつも通り鍵を差し込む感覚で、ゆっくりと奥まで押していきます。
- 予備の鍵が進むにつれ、内部に残っている折れた鍵が外側へ押し出される形になります。
- 外側から飛び出した折れ鍵の先端をつかみ、完全に取り除きます。
力を入れすぎるとシリンダーを傷める危険があるため、「少しずつ押す」ことを意識して行ってください。
3. シリコンを使った話題の裏ワザ
SNSなどで広まり、「意外と使える」と評判になった方法です。
ポイントは、鍵が垂直に立った状態で折れていることと、素早い作業です。
用意するもの:
- シリコン素材(ホットグルーやシリコンスティックなど、熱で柔らかくなるタイプ)
- ライターや小型バーナー
手順:
- 鍵が鍵穴の中でまっすぐ縦に立っているか確認します。
- シリコンスティックなどの一部を、ライターや火で温めて、柔らかく溶かします。
- 溶けて柔らかくなったシリコンを、折れた鍵が刺さっている鍵穴の入口部分にすぐに押し当てます。
- 折れた鍵とシリコンが密着するように、しっかりと押さえつけ、約1分ほど動かさずに冷まして固めます。
- シリコンが完全に冷えたら、ゆっくりと手前に引きます。うまくいけば、シリコンに折れた鍵がくっついた状態で一緒に抜けてきます。
このとき、勢いよく引っ張るとシリコンだけがちぎれてしまうことがあるため、一定の力でじわじわと引くのがコツです。
試す前に覚えておきたい注意点
- 鍵穴用ではない油(食用油など)は、内部に汚れを溜め、後々トラブルを悪化させる場合があるため避けましょう。
- 何度も強く引っ張ったり押し込んだりすると、シリンダーそのものを傷め、鍵交換が必要になることもあります。
- 不安な場合や防犯性の高い特殊キーの場合は、早めに専門の鍵業者へ相談するのが安全です。
まとめ
折れた鍵が鍵穴に残ってしまっても、状況によっては自分で取り出せるケースがあります。
- 強力な磁石で引き出す
- ラジオペンチや細いハサミでつまんで抜く
- ドアが開いているなら、反対側から押し出す
- シリコンを利用してくっつけて取り出す
といった方法を、無理な力を加えず慎重に試してみてください。
それでもうまくいかない場合や、鍵やドアにさらなる損傷を与えそうだと感じたら、無理を続けずプロの鍵屋に依頼することが、結果的に時間と費用を抑える近道になります。


